【塾選び】<2023年度入試>塾別灘中合格者数を分析する。



灘中学の合格者数は、関西の各塾にとって、指導力の高さの証明であり、また、生徒募集にも大きく影響を及ぼす大変重要な数字です。そのため、関西では毎年、各塾のプライドをかけた熾烈な実績競争が繰り広げられます。

水面下では、1人でも多く灘中合格者をカウントするべく、特別な授業に招待したり、特別な教材を提供するなどで他塾の優秀な生徒を誘い込み、自塾の生徒としてカウントするなどの工夫もなされているようです。また、全国展開をしている塾では、九州や東海、そして、何より関東の優秀生に対し、灘中学の受験を促している実態もあるようです。

 

しかし、我が子が灘中学を目指しているご家庭にとって、塾選びのために一番知りたいのは「灘中に進学を希望しており、かつ、各塾の灘中学合格のためのコースや特訓を受講している生徒たちの合格者数や合格率」でしょう。

 

同じ灘中学合格者が複数の塾でカウントされている実態は、なかなか明らかにできるものではありませんが、灘中合格者数のうち、関西生徒の数はある程度明らかにできるのではないかと試みたのが、「灘/東大寺比率」(灘中合格者÷東大寺合格者)を利用した分析です。

 

至ってシンプルな指標なのですが、実際の灘中進学者を輩出している塾と他地域の合格者の比率が高い塾が見事に浮かびあがりました。

 

まずは、次の表をご確認ください。

 

2023年度合格者数 灘(男子校) 東大寺(男子校) 洛南(共学)
浜学園 92 150 137
希学園 64 86 60
馬渕教室 60 112 46
日能研 52 38 46
SAPIX 30 21 5
早稲田アカデミー 50 5
能開センター 10 33 14
進学館 9 11 8

 

大手8塾の灘、東大寺、洛南の合格者数を表にしました。

灘中学の入試日は、1月14日(土)・15日(日)で、東大寺学園中学と洛南高校附属中学の入試日は1月16日(月)でした。

関西に住む灘中学受験生は、併願校として、ほぼ東大寺学園中学か洛南高校附属中学のどちらかを受験します。東大寺学園中学と洛南高校附属中学のどちらを受験するかは、お住いのエリアにもよりますが、灘中同様、男子校であり、かつ、自由な校風である東大寺学園中学の方が多いと思われます。また、洛南高校附属中学は共学であり、女子の受験生もいていることから、灘中合格者数と関連が深いのは、東大寺学園中合格者数と判断しました。

 

なぜ洛南高校附属中学合格者数も挙げたのかというと、馬渕教室の特殊な姿勢が見受けられたからです。馬渕教室の東大寺学園中学と洛南高校附属中学の合格者数を見ると、浜学園や希学園に対して、明らかに東大寺学園中学の合格者が多いということです。おそらく、馬渕教室では、東大寺学園中学の合格実績を積極的に取りに行っているのでしょう。奈良エリアにおいては、浜学園VS馬渕教室のトップシェア争いが見受けられます。各塾のエリアごとの状況は、また別の記事にて言及したいと思いますが、奈良エリアでは、浜学園VS馬渕教室のトップシェア争いの一環として、馬渕教室の東大寺シフト戦略が繰り広げられているものと分析しております。

 

さて、本題ですが、浜学園、希学園、馬渕教室、能開センター、進学館の灘中と東大寺学園中の合格者を見てもらうと、「灘中合格者数<東大寺合格者数」となっております。東大寺合格者数には、東大寺学園を第一志望とする生徒も多く含まれます。統一日は、大阪星光や甲陽学院を受験した生徒も多いことでしょう。ですので、「灘中合格者数<東大寺合格者数」となるのが普通であり、何ら違和感は感じません。

それに対し、日能研、SAPIX、早稲田アカデミーの灘中と東大寺学園中の合格者は、状況が異なります。上記の5塾とは異なり、「灘中合格者数>東大寺合格者数」と合格者数が逆転しているのです。この理由は、他地域の受験生は、関西において、灘中以外受験しないからでしょう。

 

ここに、これら3塾の関西での真の実力を知る糸口があるものと考えます。

 

次に、灘中合格者数、東大寺学園中合格者数、灘/東大寺比率(灘中合格者数÷東大寺学園合格者数)をまとめました。

 

2023年度合格者数 灘(男子校) 東大寺(男子校) 灘/東大寺比率
浜学園 92 150 61%
希学園 64 86 74%
馬渕教室 60 112 54%
日能研 52 38 137%
SAPIX 30 21 143%
早稲田アカデミー 50 5 1000%
能開センター 10 33 30%
進学館 9 11 82%

 

シンプルに、関西の生徒主体の塾では、灘/東大寺比率は、100%未満(青の数字)となり、他地域の受験者を多く含む塾では、灘/東大寺比率は、100%以上(赤の数字)となり、かつ、他地域の受験生が多いほど、その数値が大きくなる傾向にあることは明らかです。

前述で馬渕教室の特殊性は述べましたので、母数の大きい浜学園と希学園のデータを活用し、日能研、SAPIX、早稲田アカデミーの実績を予想してみます。

なお、各塾の教室展開を考慮し、日能研、SAPIXは、関西の生徒の実績、早稲田アカデミーは、灘に進学した生徒数の予想です。

 

【日能研】 38×0.6=22.8、38×0.7=26.6 ⇒ 22人~27人

【SAPIX】 21×0.6=12.6、21×0.7=14.7 ⇒ 12人~15人

【早稲田アカデミー】 5×0.6=3、5×0.7=3.5 ⇒ 3人~4人

 

この数値を踏まえ、改めて、灘合格者数ランキングを作成すると次の通りです。

 

浜学園 > 希学園・馬渕教室 > 日能研 > SAPIX・能開センター・進学館

 

個人的に、見どころは、浜学園の安定度希学園・馬渕教室の追い上げSAPIXの関西での経営資源の投下だと考えております。

 

「浜学園はこのままNO1を独走し続けるのか?」

「希学園と馬渕教室はさらに存在感を高めるのか?」

「SAPIXは関西でもっと本気を出さないのか?」

などの観点で、引き続き、関西における灘中合格者数や各塾の動向に注目していきたいと思います。

 

なお、塾選びは、我が子と塾のスタイルや塾の先生との相性もありますので、あくまでもご参考です。

 

仕事がら、私もよく塾選びの相談を受けます。その際、必ず、2つから3つの塾を比較検討してもらっています。

 

塾選びの入口は、「我が子の志望校の合格実績、地域のトップ校や人気校の合格実績」「同級生が通う塾」になると思いますが、それらの塾を軸に、複数の塾を比較検討するようにしてください。できれば、体験授業も受けさせて、我が子の反応を見るようにしましょう。ここは違うなという判断もとても大切です。複数から選び取ることで、自分の選んだ塾という意識が芽生え、我が子の粘りや頑張りを引き出すことができますよ!

 

途中の転塾はリスクが大きいので、最初の塾選びに力を注ぎましょう!

 

 

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