【2023年夏】中学入試で出題されている、おすすめの作品(文学的作品)10選

【文学的作品】
「くちぶえ番長」重松清
(あらすじ)
小学四年生のツヨシのクラスに、一輪車とくちぶえの上手な女の子、マコトがやってきた。転校早々「わたし、この学校の番長になる!」と宣言したマコトに、みんなはびっくり。でも、小さい頃にお父さんを亡くしたマコトは、誰よりも強く、優しく、友だち思いで、頼りになるやつだったんだ――。サイコーの相棒になったマコトとツヨシが駆けぬけた一年間の、決して忘れられない友情物語。
(おすすめポイント)
主人公のマコトのキャラクターが際立った作品で、読書が苦手な小学生にも大変読みやすい作品になっております。小学校が舞台で、マコトやツヨシに感情移入しやすく、軽快なストーリー展開に引き込まれることでしょう。マコトの持つまっすぐな正義感は、多くの小学生の心の中に引き継がれていくことでしょう。
「5年3組リョウタ組」石田衣良
(あらすじ)
希望の丘小学校5年3組、通称リョウタ組。担任の中道良太は、茶髪にネックレスと外見こそいまどきだけれど、涙もろくてまっすぐで、丸ごと人にぶつかっていくことを厭わない25歳。いじめ、DV、パワハラに少年犯罪……教室の内外で起こるのっぴきならない問題にも、子どもと同じ目線で真正面から向き合おうと真摯にもがく若き青年教師の姿を通して、教育現場の“今”を切り取った、かつてなくみずみずしい青春小説!
(おすすめポイント)
小学校高学年は、学校での生活や友達との関係性に興味を持つ時期です。熱血小学校教師中道先生の、子どもと同じ目線で真正面から向き合う姿に、読み手も自分の小学校生活を、前向きにとらえられるようになるのではないでしょうか。小学生に、勇気と希望を与えてくれる作品です!
「未来の手紙」椰月美智子
(あらすじ)
いじめを受ける五年生のぼくは、未来のぼくへ手紙を出す。中学一年から三十二歳まで二十年間分。一年ごとの明るい目標を書いた手紙は、毎年ぼくの元へ届けられた。そして三十三歳になったある日、来るはずのない「未来の手紙」が届く。それは、悪夢の手紙だった……。(表題作) 確実に何かが変わってしまう十代前半の少年少女。その不安と期待を等身大で描く珠玉の短編集。
(おすすめポイント)
思春期の少年少女を主人公にした短編集です。言葉にできない感情を抱く反抗期や思春期も、人生の大切な1ページです。人生の様々な場面を、自分の人生の一部ととらえ、自分の人生を豊かなものにしていく、そんな価値観を身に着けてもらいやすい作品となっております。
「卵の緒」瀬尾まいこ
(あらすじ)
「僕は捨て子だ。」これはふざけているのではなくきちんと証拠もある。だって、僕には父さんがいない。それに親子の証であるというへその緒を母さんは見せてくれない。それでも母さんは誰よりも僕を愛してくれている。僕も口には出さないけれど母さんが大好きだ。親子を繋ぐものとは何か。本当の親子とは何か。
(おすすめポイント)
「母さんは誰よりも僕を愛してくれる」、浮き彫りになる「親子」の強く確かな絆から、親子の愛の本質を、小学生にも感じ取りやすい作品です。また、主人公が家族との関係性や愛情、自己を受け入れながら成長していく姿を通じて、人生を前向きにとらえる勇気をもらえる作品となっております。
「あと少し、もう少し」瀬尾まいこ
(あらすじ)
ちぎれそうな身体だって、おれの走りをするんだ。頼りない顧問のもと、寄せ集めのメンバーがぶつかり合いながら挑む中学最後の駅伝大会。襷(たすき)が繫いだ想いに、溢れる涙が止まらない。陸上部の名物顧問が転勤となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが……。元いじめられっ子の設楽、不良の太田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。あと少し、もう少し、みんなと走りたい。涙が止まらない、傑作青春小説。
(おすすめポイント)
物語は駅伝の襷のように思いが繋がれていきます。県大会出場という共通の目標に向けて、心を一つにしていく登場人物たちの姿は、読み手が読み手の学校生活と重ね合わせながら「友情や仲間意識」を考えるきっかけを与えてくれることでしょう。自分が自分の人生を仲間とともによりよくしていく熱情を提供してくれる作品となっております。
「西の魔女が死んだ」 梨木香歩
(あらすじ)
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、夏のひと月をママのママ、西の魔女と呼ぶおばあちゃんと共に暮す。感受性が強く生きにくいと言われたまいは、その性質を抱えて生きるために魔女修行に取り組む。魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。
(おすすめポイント)
大好きなおばあちゃんの深い愛と優しいまなざしが、読者の心も成長させてくれることでしょう。そんな最愛のおばあちゃんの「死」を扱うお話ですが、暗く悲しい話ではなく、読者に「許し」や「希望」を与えてくれる作品です。読むと心が軽くなり、人生に希望を持てるようになる作品です。
「うさぎとトランペット」 中沢けい
(あらすじ)
宇佐子は、転校生のミキちゃんを仲間はずれにするクラスの雰囲気に傷ついて、学校へ行けなくなった。微熱が続く夜明け、宇佐子は公園から響いてくるトランペットの音色に心惹かれる。ミキちゃんに誘われて町のウィンド・オーケストラでトランペットを習うことになった宇佐子は、きらめく音、ブラスの楽しさ、演奏する喜びを知る。音楽に解き放たれて、伸びやかな心が育っていく……。
(おすすめポイント)
感受性豊かな主人公がクラスの雰囲気に心を痛め、不登校になる中、音楽や音楽を愛する仲間と出会い、自分を取り戻し、成長していく物語。小学生ならではの友達関係の悩みは、共感を呼び、宇佐子が音楽と出会い、自分を取り戻す過程では、主人公とともに困難を乗り越えていく心境になることでしょう。
「マウス」 村田沙耶香
(あらすじ)
私は内気な女子です――無言でそう訴えながら新しい教室へ入っていく。早く同じような風貌の「大人しい」友だちを見つけなくては。小学五年の律(りつ)は目立たないことで居場所を守ってきた。しかしクラス替えで一緒になったのは友人もいず協調性もない「浮いた」存在の塚本瀬里奈。彼女が臆病な律を変えていく。
(おすすめポイント)
律と瀬里奈の二人の友情を描いた作品です。タイプの全く違う2人が、小学校5年生の時に出会い、お互いの価値観をぶつけ合うことで、お互いの理解を深め、お互いの成長につなげていく話。濃厚な人間関係にスポットライトを当てたこの作品は、人間関係を考える上で、学びの多い作品となることでしょう。
みつばちと少年 著:村上 しいこ 絵:高山 裕子
(あらすじ)
集団の中でうまくやっていけない松井雅也は、中1の夏休みを利用して、養蜂場で働くおじさんのいる北海道へ行くことに。雅也が寝泊まりすることになった「北の太陽」という家では、さまざまな事情を抱えた、年齢のちがう5人の子どもたちが暮らしていた。「北の太陽」を運営するおばあさんやみんなとの交流、養蜂の仕事の手伝い、イカめしコンテスト出場……。自然豊かな北海道でのひと夏をつうじて、雅也の心に変化がおこる。
(おすすめポイント)
主人公が、ひと夏の経験を通じて、自己肯定感を回復させていくお話です。この物語を通じて、読み手は自分自身を受け入れることの大切さや他者との交流の意義を考える機会を得ることができます。多くの読者に生きる希望を与えてくれる作品です。
「ランナー」 あさのあつこ
(あらすじ)
長距離走者として将来を嘱望された高校一年生の碧李は、家庭の事情から陸上部を退部しようとする。だがそれは、一度レースで負けただけで、走ることが恐怖となってしまった自分への言い訳にすぎなかった。逃げたままでは前に進めない。碧李は再びスタートラインを目指そうとする-。少年の焦燥と躍動する姿を描いた、青春小説の新たなる傑作。
(おすすめポイント)
陸上がモチーフとなっていますが、家族愛がテーマとなっております。幼児虐待も含む、やや重いテーマですが、主人公の碧李が、困難に立ち向かい、周りに支えられながら、自分自身を超えようとする姿に、小学生の目からも感じる部分が多いのではないでしょうか。



